データ関連人材育成拠点
研究室紹介
IoTをビジネスにつなげる 沼尾 雅之 教授(情報・ネットワーク工学専攻)
ビッグデータ、データサイエンス、IoT(モノのインターネット)ビジネスをキーワードに、知能情報学分野における統合的な研究を進める。実世界からセンサーデータを集め、それを知識化してサービスとしてフィードバックする「データ駆動型IoT」に対して、あらかじめサービスに必要なデータを効率的に現実から収集するという「ビジネス志向型IoT」の実現を目指す。

サービス・サイエンスの概念を取り入れたビッグデータ分析 椿 美智子 教授(情報学専攻)
サービス・サイエンスの概念・手法を使ったビッグデータ分析を行う。特に“人”の異質性を考慮し、確率や統計的手法、人工知能(AI)技術である機械学習を用いて人の行動や心理、思考の解明を目指す。これにより、人が使いやすい製品の開発や、周囲との関係性が深まる新しい価値の共創を伴ったサービスの向上につなげる。

曖昧さを考慮した人間のための知的なシステムを作る 橋山 智訓 准教授(情報学専攻)
ファジィ理論やニューラルネットワーク、進化的アルゴリズムなど、人工知能(AI)技術の中でもソフトコンピューティングの手法を使って、人間に寄り添う知的システムを開発している。その際、人が置かれた環境から情報を抽出してモデル化し、人が使いやすく、自然かつシンプルな「人間中心システム」の構築を目指す。

患部の3D映像を映す医療AR向け頭部装着ディスプレーを開発 田野 俊一 教授(情報学専攻)
医療現場に拡張現実(AR)を導入し、医師を支援するための頭部装着型の特殊なヘッド・マウント・ディスプレー(HMD)の研究を進める。HMDを診断や処置、手術、治療などに利用して医療の質の向上につなげるほか、研修医の教育などにも活用する。ベンチャーを設立し、民間企業や大学病院と連携して実用化を目指す。

ライフログマイニングで長期的な生活を振り返る 新谷 隆彦 教授(情報・ネットワーク工学専攻)
データマイニング(データ採掘)の分野で、主に人の生活を記録する「ライフログ」を使った研究を手がける。人の行動を時間情報に注目して抽出するアルゴリズムを開発し、平常時のパターン分布から長期間にわたる生活を振り返ることなどができる。社会に役立つ実用的なアルゴリズムやシステムの開発を追究している。

触覚インタフェースを中心としたVRの研究 梶本 裕之 教授(情報学専攻)
バーチャルリアリティ(VR)やヒューマンインタフェースの分野で、特に触覚を用いた情報提示や錯覚現象の解明・応用を進めている。電気刺激や振動によって触感を与える触覚ディスプレイのほか、ハンガーをかぶると頭が不随意に回転してしまう「ハンガー反射」現象の応用や歩行誘導、自動車を用いたVRの開発なども手がける。

AIによる声質変換システム 中鹿 亘 助教(情報・ネットワーク工学専攻)
人工知能(AI)技術を使い、人の発話内容について声質だけを加工する「声質変換システム」を開発している。インターホンの応答時に女性の声を、その場で男性の声に変換するなどして防犯対策に利用したり、ある人の声を永遠に残したりすることなどが可能。わずかな音声データで声質変換できる実用的なシステムを志向する。

大貧民や人狼などのゲーム情報学と量子コンピュータの研究 西野 哲朗 教授(情報学専攻)
人工知能(AI)やコンピュータ・サイエンスの手法を使い、トランプゲームの「大貧民」や「人狼ゲーム」などを題材にしたゲーム情報学の研究に取り組む。自然言語処理の分野としては、人狼のほか、米IBMのAI「Watson(ワトソン)」を用いた図書館案内ロボットシステムなどを研究中。量子コンピュータのアルゴリズムも研究する。

認知科学的な手法でゲームAIを研究する 伊藤 毅志 准教授(情報・ネットワーク工学専攻)
ゲームAIの研究に認知科学的なアプローチを取り入れ、すでに十分に賢くなったAIを利用して人間の能力を向上させることを目指す。特に将棋や囲碁において、人がその能力を身に付ける「熟達化」のプロセスを認知計測によって明確にした。マインドゲームだけでなく、フィジカルゲームであるスポーツやe-sportsなどにも応用を広げている。

「情報理論的暗号理論」の理論基盤をつくる 岩本 貢 准教授(情報学専攻)
情報理論や暗号理論を基に、特に「情報理論的暗号」の構成手法や安全性に関する基礎理論を研究する。情報理論的な技術を用いながら、安全性だけでなく効率性も考慮した暗号システムを模索する。「計算量的暗号理論」の知見も取り入れ、さまざまなシナリオに対応できるプロトコルを開発し、現実の問題へ応用を目指す。

量子物理学を用いたインフラ向けAIの開発 曽我部 東馬 准教授(i-パワードエネルギーシステム研究センター (i-PERC))
物理学の観点から人工知能(AI)を活用し、エネルギーや交通、物流などインフラ(社会基盤)システム向けのAIプラットフォームを開発する。識別や認識といった従来の機能から、予測や最適化へとAIの利用の可能性を広げている。機械学習や深層学習、深層強化学習のほか、量子コンピュータ向けのアルゴリズムの研究も進める。

ディープラーニングを使ったAI画像認識 柳井 啓司 教授(情報学専攻)
人工知能(AI)技術の一つであるディープラーニング(深層学習)によって、画像の認識や画像の領域分割を行う。とりわけスマートフォンを使ったリアルタイム認識や画像のスタイル、質感の変換が得意で、スマホのアプリも数多く開発している。世界中で作業者を募る「クラウドソーシングサービス」を積極活用する。

ITSを高度化する「車両アドホックネットワーク」の研究 策力木格 准教授(情報・ネットワーク工学専攻)
高度道路交通システム(ITS)向けの無線ネットワークの通信プロトコルを研究する。特に車両間で通信する車両アドホックネットワークについて、自律分散的に処理する手法を提案した。例えば、事故情報をある車両が検知した際、近隣の車両にリアルタイムに伝えることで事故渋滞の緩和や運転環境の快適化に貢献する。

AIや数理手法を使って医療画像の診断を支援する 庄野 逸 教授(情報学専攻)
画像処理が専門で、最近では医療画像から高い精度で疾患を見つけるコンピュータ支援診断(CAD)システムの高性能化を目指す。特に、人工知能(AI)技術の一つであるディープラーニングと、少数のデータから全体像を把握する「スパース(疎性)モデリング」を使って、診断率の向上に役立つ手法を提案している。

情報数理工学の観点から最適化のアルゴリズムを提案する 村松 正和 教授(情報・ネットワーク工学専攻)
複数の選択肢から最適なものを選び出す「最適化問題」の最適解を効率良く解くアルゴリズムを開発している。特に、社会問題などの実問題に適用しやすい「錐線形計画問題」を得意とし、さまざまなアイデアを提案するほか、スケジューリングや最短経路の算出、金融工学や機械学習など幅広い分野への応用にも取り組む。

最高性能のベイジアンネットワークとその応用、eラーニングの研究 植野 真臣 教授(情報・ネットワーク工学専攻)
人工知能(AI)技術の一つであるベイジアンネットワークの最速システムを開発し、ロボットやモータなどに応用する。コンピュータ上で実施するテスト(eテスティング)の開発システムは世界標準となった。「教える」のではなく、「学ぶ」ためのeラーニングシステム『SamurAI』は50万人の利用実績を持つ。

生命システムの解析と分子ロボットの研究 小林 聡 教授(情報・通信学専攻)
生命システムに普遍的に存在する生体高分子(DNAやRNA、タンパク質など)の新しい数理モデルの構築や構造の予測・解析の研究に取り組む。また、生体内で働く大きさ1マイクロメートル以下の「分子ロボット」の開発では、知能中枢となる情報処理システムを構築し、動作を高速にする演算素子などを開発した。

正解のない問題を解くAI――宇宙、ロボットから医療応用まで 髙玉 圭樹 教授(情報学専攻)
現在の人工知能(AI)の多くは答えが決まっている問題を解いている。これに対し、予測のつかない問題に素早くかつ的確に答えるエージェントAIを開発する。必ずしも最適解を求めず、未知の環境に適応し、刻々と変化する状況に柔軟に対応する複雑適応システムを「進化計算」や「強化学習」などを使って構築し、社会へ適用する。

IA(知能増幅)によって人の学習を支援する 柏原 昭博 教授(情報学専攻)
人間の知性を技術でいかに高めるか。学びのプロセスをデザインする「学習工学」を掲げ、人工知能(AI)の一つであるIAの手法を使って学習者に寄り添う学びの環境を構築する。特に学習者向けの「調べ学習」の支援や、効果的なプレゼンテーション支援方法の提案、ロボットを使った英文法の習得支援などのテーマを研究する。

現実世界により近い複雑なゲームAIを開発する 保木 邦仁 准教授(情報・ネットワーク工学専攻)
有名な将棋ソフト「Bonanza(ボナンザ)」の開発者。知的な判断や能力を競うゲームを題材にして、賢い人工知能(AI)を開発する。ゲームAIの性能は今や、AIの能力を社会に示す上で重要な指標になっている。近年は将棋や囲碁から、トランプゲームの「大貧民」やマージャンなど、より複雑なゲームへと対象を広げている。

人の行動ログを収集・分析し、価値ある情報を引き出す 岡本 一志 助教(情報学専攻)
統計学や計算機科学、機械学習の手法を用いるデータサイエンスの領域において、計算知能(CI)の方法論を駆使しつつ、データから有用な知見を発掘する。特に、図書館における人の行動やコンビニでの購買履歴といった行動ログを収集・分析するための要素技術を開発し、サービスの設計や改善に応用することを目指す。
